【田中角栄】約束を守るパワフルさ
こんにちは。
足立佑介です。
本日は、「田中角栄」です。
約束を守ることが人との信頼関係を築くポイントです。
自民党副総裁まで登り詰めた二階堂進は「趣味は田中角栄」と言っていたそうです。
田中の方が9歳も年下であるのにも関わらず。
その要因となるエピソードが下記です。
二階堂が衆院商工委員長に就任した時、二階堂のもとにジェトロ(日本貿易振興会)会長の杉道助が訪れて来ました。
ジェトロは前々から5億円の政府出資を強く求めていましたが、大蔵省査定は毎年ゼロでした。
杉は、「これだけは是が非でも獲得してほしい。私の冥土のみやげにしたい」と懇願してきました。
杉は大阪商工会議所会頭を長年つとめ、関西財界の重鎮でジェトロ生みの親です。
既に79歳の高齢であるがジェトロにかける杉の情熱に心打たれた二階堂は承諾しました。
そして若き大蔵大臣であった田中角栄を訪ね直談判したのです。
田中は「わかりました。約束しましょう」とあっさりとOK。
しかし事務次官折衝の段階で削られ、ジェトロ担当官庁の通産省も降りてしまっていました。
予算案ができあがり、閣議に持ち込まれる直前に、杉会長から「5億円が入っていません」と電話がかかってきました。
二階堂は慌てて大蔵大臣室に駆け込んで詰め寄りました。
そうすると田中は、直ぐに主計局長を呼び「大臣命令だ」と5億円の計上をその場で指示したのです。
杉は翌年死去し言葉どおり冥土のみやげになりました。
「あの時の男の約束が田中さんと私の最初の人間的な出会いであった」と後に二階堂は述懐。
竹下登が創政会を旗揚げした時も、二階堂は最後まで田中を支えたそうです。
これほどまでに約束を守るという行為はパワフルに人間関係を創るのです。