【イオン】原動力は志
こんにちは。
足立佑介です。
前回のお話しの続編みたいなものです。
後世に残すものは物質的なものではなく、「商人道」や「商売道徳」といった経営をしていくための背骨となる指針や、考え方。
そのことを教えてくれる、いいお手本となる企業、
それはイオンです。
イオンの創業者は三重県で250年続く老舗呉服屋の岡田屋7代目として生まれた岡田卓也。
彼は大学在学中に軍隊に入隊をし、20歳で終戦を迎え郷里の三重県の四日市へ帰ってきました。
そこで見たのは岡田屋の全焼した建物。
先代が営々と築いてきたものの全てが焼けてなくなってしまったが、一つだけ焼残っているものがありました。
それは岡田屋の「土蔵」。
土蔵の中には、父親の日記が残されていました。
父親は彼が2歳の時に亡くなっているので会話を交わすことはありませんでした。
しかし日記で父親から教えを受けることになるのです。
日記には、「すべての事業は、まず志を立てることが肝要だ」と語られていた。
さらに父親が16、17歳の頃にあげた目標が記されていた。
「行商をしながら、東海道をさかのぼり、東京に向かう。そして、当時の日本の産業の大立者、渋沢栄一翁に会いに行く」
というものでした。
父親は本当に、四日市や桑名等の地元で産物を背負い、行商を重ねながら旅費を稼ぎ、東海道をさかのぼりました。
ついには東京にたどり着き、実際に渋沢栄一との面会を実現させたのです。
その時の父親の感激が日記にありありとつづられていました。
この父親の日記を焼残った土蔵の中で読んだ卓也は強い衝撃を受けました。
「とにかく志を立てることが、事業を推進する最大の原動力だ」
と奮い立ち、この父親の教えを商売の指針とし、裸一貫から家業の復興に取り組んだのです。
そして今日のイオンの土台を築きあげました。
自身で志を立て、それをたゆまぬ努力で実現させる。
その志が困難であればあるほど、人に大きな影響を与える力となる。
いち経営者として手本とすべき、気づきの深い話です。